コラム

7月3日は「寿司ロボットの日」

作成者: 投稿者|Jul 3, 2025 12:00:00 AM

2025年、鈴茂器工はこれまで日本の寿司文化を支えてきた「寿司ロボット」を多くの方に知ってもらうことを目的に、7月3日を「寿司ロボットの日」と制定しました。

日付は、鈴茂器工の創業者の鈴木喜作が「寿司ロボット」と命名した日に由来。1981年の発売当時は「江戸前寿司自動にぎり機」と称していたのですが、1982年にとある番組に出演した際、「江戸前寿司自動にぎり機」を操作したアナウンサーが「これはまさしくロボットですね」と感想を述べたことにインスピレーションを受け、「寿司ロボット」と命名しました。

 

始まりは減反政策

そんな寿司ロボットの始まりは、1970年代に行われた減反政策まで遡ります。

当時、米の生産を抑制する政策を憂慮した鈴木喜作は、「高くて手が出なかった寿司を誰もが安く食べられるようにすれば、米がより消費されるようになるのではないか」と考え、シャリを握る機械の開発に取り組みました。

開発をスタートしてから数年間は、寿司職人が手で握ったような仕上がりを再現できずに苦しみましたが、寿司職人の「握り」の一連の動作を徹底的に研究することで、1981年に寿司ロボットの1号機が完成。

1号機は品質の高いシャリ玉を1時間に1200貫も量産できたため、寿司職人の省力化・機械化を実現し、国内外の回転寿司の発展や寿司の大衆化に大きく貢献しました。

この業績が認められ、寿司ロボット1号機は数々の賞を受賞し、2021年には「機械遺産」にも認定されています。



江戸前寿司自動にぎり機 ST-77
寿司ロボット1号機

 

寿司ロボットの現在

現在、寿司ロボットの生産能力は大幅に向上し、シャリの食感はもちろん、デザインや操作性も改良されました。近年ではニーズに合わせて様々な寿司ロボットが開発されています。

例えば、回転寿司では1時間あたり最大4800貫を量産する「シャリ玉ロボットSSN-JLA」が利用されており、店内での演出を重視する店舗では、木目仕上げで機械イメージのない「お櫃型ロボットSSG-GTO」が人気です。

また、寿司を新たに始めようとしている店舗では、設置場所を選ばず、導入コストが抑えられる「コンパクトシャリ玉ロボットS-Cube」が選ばれるなど、お客様のニーズに合わせて様々な寿司ロボットが全国各地のお店で活躍しています。

▲ シャリ玉ロボット SSN-JLA/JRA

▲ お櫃型ロボットSSG-GTO

▲ コンパクトシャリ玉ロボット S-Cube(エスキューブ)

 

世界の「SUSHI」文化と寿司ロボット

これらの寿司ロボットは、日本国内だけでなく、世界でも活躍しています。2025年2月現在、鈴茂器工の寿司ロボットが活躍している国は90か国以上にのぼり、世界の「日本食ブーム」は衰える様子を見せません。

一方で、カルフォルニアロールをはじめ、ドーナツ、ケーキ、ブリトーなど、日本で見かける「寿司」とは全く異なる「SUSHI」が、独自の発展を遂げています。


 

これらは各地のローカルフードと寿司が融合したものであり、今や「寿司」は日本食というカテゴリを超え、自国の食文化にローカライズされた「SUSHI」として、世界中の人々に愛されつつあります。

鈴茂器工はこれからも、寿司ロボットを通じて、日本の「寿司」と世界の「SUSHI」をもっと気軽に、もっと身近に楽しめる機会を提供できるよう、挑戦してまいります。